ゴミの行方(ロサンゼルス)
我が家のエリアのゴミ出しのルールは燃えるゴミ、ペットボトル、ガラス類、缶類、紙類・その他燃えないゴミなど、それぞれ詳細はあれど、難しいものではないです。
お醤油やドレッシングの瓶の蓋部分も取り外すってのはちょっとびっくりしましたけどね。 アメリカの友人に話したら「That's so crazy」と言われましたよ。「私にはとても出来ないわ~~」だって。
で、ちょっと思い出したのですが、日本ではほとんどの「燃えるゴミ」は本当に燃やされているのに対して、カリフォルニア州では「燃えるゴミ」は基本的にLandfill(埋め立て)です。確かに燃やしてガスを排出するよりは埋め立ての方が環境には良さそうな感じですが、全部がぜんぶ分解されて土になってるわけはないと思うのです。
分別は実に大雑把で、リサイクルできるもの(青いゴミ箱)、庭木・落ち葉など(緑のゴミ箱)、家庭からの一般ゴミ(黒いゴミ箱)の3種類しかありません。ロサンゼルスでは一軒家に住んでいる場合、市の清掃局から青・黒・緑のゴミ箱を借り、収集日に家の前に置いておくと清掃局のトラックが来て、ゴミ箱をアームで持ち上げ、トラックの真上で逆さにして中身を空けて投入していきます。たいていの場合、ドライバーさんは降りてきません。ゴミ箱の中身は誰も見ることなく回収されていくので「燃えないゴミ」が混ざっていてもわからないです。
トラックがいっぱいになったら中身を圧縮してスペースを作ってまた次のゴミを入れるので、収集場所に帰る頃には大きな一つの塊になってるんじゃないかと想像します。そして埋め立て場所ではどんどん上からゴミを重ねていくので、下の方のゴミには
酸素も空気も回らなくなり、結果、バナナの皮でさえ分解されないという話です。庭に穴掘って捨てた方がよほどマシな感じです。
例えば:
- 食品ゴミ
- オーブンで使うアルミなどのトレイ、アルミホイル
- 瀬戸物・ガラス・鏡
- プラスチックラップ
- 牛乳やジュースの紙カートン
- モーターオイルのボトル(プラスチック)
- ペーパータオル、紙ナプキン、ティッシュなどの紙
- Fax用感熱紙
- スタイロフォーム・発泡スチロール
- 使い捨ておむつ
- ヤシの木を剪定したもの・サボテン(庭木)・土、砂、石など
これらは黒いゴミ箱(燃えるゴミ)で出すものですが、全部が自然分解されるとは思えません。スタイロフォームやプラのラップ、使い捨ておむつなんて埋め立てても分解されないですよね。どの製品もきちんと分解される原料で作ってるとも思えない。
環境に優しいと言われる成分で作られたラップとかちょっと値段が高いわけで、たいていの人は普通のラップ(どうにも使えないようなシロモノ)を使ってるんじゃないかと思われるんですけどね。そして「庭木、落ち葉」などを収集する緑のゴミ箱があるのに、なぜかサボテンやヤシの木を剪定したゴミは燃えるゴミに出せと。
リサイクル用の青いゴミ箱には:
- 空のエアゾール缶
- 段ボール・新聞・雑誌・コピー紙・ノートなどの紙類
- アルミ・ステンレス缶
- ガラス瓶・ジャー(洗浄済み)
- シャンプー・ブリーチ・牛乳・ソーダ・水などのプラスチックボトル
- 電子レンジ用食品トレイなど
まぁまぁリサイクル可能(であろう)ものですが、これらを全部1つのゴミ箱に入れるので、持って行った先での選別に手間がかかりそうな気がします。テイクアウトした食品のトレイやジュースのボトルを洗って捨ててる人なんて見たことないです。段ボールは潰さないでまんま入れるからゴミ箱からはみ出してるし、壊れたベビーカーをばらさないでそのまんま「燃えるゴミ」に突っ込んでる人もいるし。
夜中や早朝には近所を回って青いゴミ箱を1つずつ開けては、アルミ缶とペットボトル「だけ」を盗っていく輩もいます。これはリサイクルセンターに持ち込むと現金で買い取ってくれるから。どこかのスーパーから失敬してきたショッピングカートを押しながら、でもホームレスには見えないような人がやってたりします。勤めていた先でも青いゴミ箱の中身を袋ごと持って帰っても良いかと聞いてきた人がいました。リサイクルに関心があるとか、エコ意識が高いのかと思ったらリサイクルセンターに売りに行くためと聞いてびっくり・がっかりしたのを覚えてます。
地図で見るとカリフォルニア州の中にすっぽり日本が入るくらい、国土は広いです。砂漠もあるし余ってる土地はたくさんあるのでLandfillする場所を作るには困らないと思うけど、そこに到着するまでの「ゴミの出し方」をもっと徹底しないといつまで経っても
Landfillには分解されなかったゴミが残って、そこから排出されるであろう、なんだかわからない・危険かも知れない液体・水分なんかが土壌汚染していくのかも、と思うと怖いですね。